戦後80年ということで、井伏鱒二さんの『黒い雨』をオーディブルで聴きました。(ちなみに、井伏鱒二さんは釣りや温泉が好きで、あの源泉舘さんにもよく宿泊されていたそうです!)
源泉舘さんWebサイトより
『黒い雨』は原爆被害にあった広島を舞台にした小説で、悲惨な光景、音、痛み、臭気など五感を通して伝わってくる作品でした。
平日と同じように何気なく過ごしてしまいがちなお盆を、80年前の人々に思いを馳せ、平和な現代への有り難みを感じる日々にでき、本当に有意義な耳読書でした。
私の小学生時代の4年間の担任はおばあちゃん先生だったので、特に戦争のことはたくさん話を聴かせてもらいました。祖父母に戦争体験を聴く宿題もあり、おじいちゃんの壮絶な体験談をまとめました。
祖父は脇の下を銃で撃たれ、あまりに血がたくさん出て、このままでは死んでしまうと思って、その血を飲んだそうです。この話を聞いてまもなく他界した祖父との思い出はほとんどありませんが、この話だけは今でもよく覚えています。
終戦から80年が経ち戦争体験者が減り、今の子どもたちは教科書で習う「戦国時代」のように、戦争を遠くかけ離れた昔話と捉えてしまうのではないかと心配です。
せめて自分は戦争を関係のないもの、無関心なものにしないように、毎年お盆は戦争をテーマにした映画や本などに触れようと思いました。