旅館のパンフレットといえば、大きく見える角度から撮影した建物の写真に、テーブルいっぱいに広がったお料理の写真などなど、みんなが相談して決めているの?っていうくらい、同じパターンが多いですよね。

 

そして、書いてある言葉といえば・・「川のせせらぎ、癒しのひと時」的な耳障りのいい言葉。

これで自分の旅館の魅力が相手によーーく伝わればいいのですが・・・どこも似たパンフレットだから見比べてみても違いがわからず、結局値段や料理の内容などを比較して決めるのではないでしょうか。

 

もしかしたら、その旅館は料理よりも温泉が魅力かもしれないのに、それを伝えられていなければ、自ら料理や値段で他と勝負を挑んでいることになってしまいます。それって、もの凄くもったいないですよね。

源泉舘さんのパンフレットも、約10年前から年々進化を遂げて、今ではついに「公式ガイドブック」になりました!2012年にこの形になってからも、印刷の度に内容を見直して、既に6回もマイナーチェンジしています。

 

内容が増えただけではなく、旅館の本当の魅力である湯治温泉の凄さを、実際の事例でたっぷり伝えています。お客さんが「え?これ、無料なんですか?」と驚かれることもしばしば。

地元の郵便局にもPOP付きで設置♪
かなりのペースでなくなる!

 

「パンフレット=無料なのが当たり前」ではないんですよね。そんな意識の変化が、お客さんのこんな行動にも。以前は、せっかくお金をかけてつくったパンフレットをお部屋のゴミ箱に捨てられることがあったのに、公式ガイドブックは一度もないそうです。

 

それどころか、「知り合いに渡したいから」と言って、何冊も持ち帰って紹介してくれるお客さまも増えました。こうして、本当の魅力が伝わる「正しい口コミ」が起こるから、新規のお客さんもリピーターになりやすいんです。

 

どんなパンフレットか気になりますよね?特別にご紹介しちゃいましょう!

足の大けがを温泉で綺麗に治した常連Mさんの湯治の過程は漫画でめちゃくちゃわかりやすくなっています。いや〜、何度見ても源泉舘さんのよさが伝わる販促物だなぁ。笑

ちなみに、本に見立てた裏表紙のバーコードに隠された秘密はこちらをチェック!

 

このガイドブックも構想から仕上がりまでに相当な時間がかかっていますが、特にパンフレットのようなお金がかかる販促物をつくるときは、しっかり考えなければいけません。

 

うちの本当の魅力は何?

どうすれば、その魅力は伝わる?

源泉舘さんでは、お馴染みさんなどに協力してもらい、温泉に入る前後の傷口を写真に撮らせてもらったりしながら、コツコツと自分たちの温泉の素晴らしさをより多くの人に伝えるための努力をし続けています。

 

こういう行動が、パンフレットやWebサイトに生かされて、ぴったりマッチするお客さんと繋がることができるんです。

 

いい温泉だからお客さんが集まっているのではないんです。自分たちの魅力を知って、それを伝えるための努力をし続けているから、お客さんが集まってくれるんです。(昨日のブログも必見!)

 

「何でもあります」「自然、温泉、お料理、お部屋、スタッフ。何でも無難に揃ってます」では何も伝わりません。まずは自分たちの最大の魅力を、自分たちが正しく理解するところから始めましょう。


山梨県の下部温泉郷にある、古湯坊 源泉舘さんは「オール5」の温泉です。

何がオール5なのかというと、日本温泉協会というところが、温泉の質を非常に厳しい6項目で5段階評価しているんですが、そのすべてにおいてオール5という、最高評価を受けているんです。

同じ下部温泉内でも、オール5なのは源泉舘さんのみ。それくらい、超〜厳しい基準なのです!ちなみに、平成25年の時点で、全国に21,174ヶ所 (環境省のデータより) の温泉施設の中で、オール5評価は、源泉舘さんを含めたった16施設だけ!!

で、こんな素晴らしい温泉を持っているから、販促せずにお客さんがどこからでも訪れるのか、といったらそんなことはありません。

 

私は仕事上、いろんな温泉地や観光地に行くんですが、源泉舘さんのお土産コーナーのPOPの多さはダントツ!

毎月来てくれるお馴染みさんも
毎回楽しそうにお土産を選んでいる

 

パンフレットや包装紙は、それ一つでセミナーが開けるくらい、いろんな想いやアイデアを詰め込んでつくっています。(これは次回のブログで詳しく紹介しますね♪)

温泉のすごさを伝えるパンフレット

 

FAX送信状から、封筒、ちょっとしたご案内まで、源泉舘さんほどこだわっている旅館はなかなかありません。あけぼの大豆づくりや味噌づくり、BBQに忘年会など、年間通じて独自のイベントもたくさん行なっているし。

 

ブログは2011年4月から毎日更新しているし、月1ペースでお馴染みさんに発行しているニューズレターは8年も続けています。続けるって、本当に凄いことですよ!

 

「オール5温泉」という、絶対的な素晴らしい商品を持っていても、こんなにいろんなことをやっているんです。1300年も続いていて、社長はなんと58代目の湯守なのに、ですよ!!

 

宇宙の、地球の、大自然の奇跡が生んだ素晴らしい温泉ですら、伝えなければ伝わらない。すべての人に伝わり切る、ということがないんです。

武田信玄さんと信玄パパが発行していた
源泉舘さんに入浴するための免許状!!

 

だから、社長や女将さん、スタッフの皆さんがこれほどまでに一生懸命に伝えているからこそ、お馴染みさんに愛されて、新規のお客さんも次々とリピーターになる旅館なんです。

 

さてさて。私の、そして、あなたの素晴らしい商品は、果たしてどれだけの人が正しく理解してくれているのでしょうか?きっと、まだまだ全然知られていませんよね。だから伝え続けましょう!できること、やるべきことはたくさんあります!


ココロとカラダを癒し整え続けて1300年の下部温泉 古湯坊 源泉舘さんがニューズレターをスタートして、丸8年が経ったそうです!

なんと今月で96号に!

 

毎月初旬におなじみさんに贈っている『しあわせの源だより』は、旅館の宣伝ではなく完全にお手紙!最初は社長と女将さんの二人でスタートしたんですが、今では、手書きが得意なスタッフのひいちゃんを中心に、全員で楽しみながら参加しています。

私もちゃっかり四コマ漫画で参加♪

 

おなじみさんの所に届くと予約電話が鳴り出すし、おなじみさん同士や、社長、女将さんとニューズレターのネタで盛り上がっています。月数回お伺いしている私がよく目撃するんだから、これが日常茶飯事なんだろうなぁ〜♪

 

源泉舘さんの、おなじみさんに対する愛情は、こんな部分にも。切手をいろんな絵柄をランダムにして、封筒もオリジナルのものにしているんです。先日も、おなじみさんが「いつも素敵な切手だから封筒も捨てられない!」と喜ばれているのを耳にしました。

 

それで、私たちがどういう部分を源泉舘さんから学べるかというと、「とにかくやってみよう!」という行動力と、「おなじみさんを大切に!」という愛情、そして、継続と覚悟だと思っています。

 

記念すべき第1号のニューズレターは、真っ白なコピー用紙に文字だけで、情報量も今よりずっと少ないものでした。でも、号を重ねるごとに、写真が入り、内容が充実し、カラーになり、スタッフさんたちも加わり、印刷機を新調して・・などなど、いろんなことが進化しています。

 

行動する前から「まずは準備しないと」とか「苦手だから」と言い訳するのではなく、まずはスタートして、そこから徐々に進化していく行動力を見習わなければと感じました。

それから、愛情。新規のお客さんではなく、いつもお世話になっているおなじみさんを一番大事にして、楽しんでもらいたい!温泉のよさをもっと知って欲しい!という想いでおたよりがつくられています。

 

「なんちゃらプランをやるから来て来て!お得なキャンペーンやるから来て来て!」ではなく、おなじみさんがウケて、会話をしに来たくなる内容、温泉に入りたくてウズウズしちゃう内容なんです。

 

くどいようですが、源泉舘さんに特別な才能があるからできることではなくて、継続・改善することによって、徐々に進化しているんです。旅館でなくても、見習うべき点がギュッと詰まった「しあわせの源だより」の今後の進化も楽しみ!

源泉舘ブログ (こちらも6年継続中!)
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